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今我々は、アクアキーパーという製品を世に出そうとしています。
特殊な無機のセラミックを通し、酸化ケイ素とホウ酸が溶け込んだ水を掛け、コーティング被膜を造るという摩訶不思議なコーティングをアクアキーパーと命名し、今まさに世に問う商品となろうとしているそのものです。
このアクアキーパーを、私たちは自分たちの車を使い、自分たち独自の方法で、何台も何台も何台も自分たちで施工しました。
そして、実際にその被膜が出来ることと、その被膜の存在を自分たちの「目」と「手」ではっきりと見極めて、このアクアキーパーをデビューさせることを決断しました。
「効いていると言われれば、なんとなく効いている気がする」などという曖昧なレベルではなく、その被膜の存在がはっきりと見分けられ、一定の効果をきちんと発揮することを確認したうえでデビューさせることにしたのです。
加えて、アクアキーパーがキーパーと同じように「塗装面改善の方向性」を備えているものであることも、この発売前実験の重要なポイントでした。
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撥水と親水、コーティングの嗜好
アクアキーパーは、ケミカルの名前ではなく特殊な機械で施工するコーティングの総称である。さらにアクアキーパーとは「親水性」のコーティングで、水を弾かないことを一つの特徴としている。
現在、多くの方に利用いただいている撥水性のキーパーは、水を弾く、弾かないという次元において、アクアキーパーとはまったく逆の性質を持っている。
だが、アクアキーパーとは、キーパーを否定するものなのだろうか?
この点に関しては、そうではないと考えている。
人の気持ちというものは振幅が大きい。撥水が好きな人もいれば、親水が好きな人もいる。親水性のコーティングはまだ一般的ではなく、それがまだ潜在嗜好であると試算すれば、目に見える今の時点での顧客意識以上に、親水に対する嗜好は有ると考えられる。
キーパーとアクアキーパー、撥水と親水、それはコーティングに対する嗜好の違いであり、どちらかが、どちらかを否定するものでも、相反するものでもない。お客様の嗜好の違いに対して、両方をコーティングメニューとして持つことによって、違う嗜好のいずれも吸収しようというものである。
洗車は人の気持ちを満たす商品
車をキレイすること、つまり広義での洗車は、車を綺麗にすることで人の気持ちを満足させるサービス商品である。
サービス商品というものは、人の気持ちが相手であり、形のある物販の商品のように規格とかスペックがはっきりした形として捉えられないので、それだけ難しくもあり逆に楽しみでもある。そして肝心なことは、人の気持ちには人の数だけ幅があるということ。たとえば、洗車をするということのみとっても、その好みは千差万別だ。
ある人は、「早くて、安くて、ホコリが落ちる程度の洗車を何度も数多くやりたい」と言う。こんな人には、セルフの連洗がぴったりであろう。またある人は、「それなりに任せられるガソリンスタンドの洗車が良い」と言う。そして別の人は、「今までのガソリンスタンドの洗車では満足できない」と。だから自分で、自分が満足できるまで洗ったり磨いたりしてキレイにしている。しかし、洗うこと自体が好きではないので、自分の気に入ったレベルまできちんとキレイにしてくれるところがあれば、多少値段が高くても、時間がかかってもやって貰えたら嬉しい。つまりこの洗車技術を買ってもいいとなる。
そんな需要、多分全体の20%程度のその人達の需要を掘り起こしたのがキーパーであり、極上手洗いだ。またその需要に特化した業態が快洗隊である。そしてそこにあった需要が、単価と数において想像以上に大きく、その掛け算となるマーケットが、今のところ潜在している事ということもあって、未曾有のスケールを持っている可能性があると考えられるのだ。そこがキーパー、あるいは快洗隊の面白いところなのである。
好みの違いは千種万様
洗車需要の種類に大きな幅があることは、人の気持ちに大きな幅があることに起因している。売る側の論理で考えると、なかなか発想できない事だが、買う側の視点に立ってみればそれは当たり前のこと。お客様にたくさんのものを買っていただこうと思うのならば、買う側の視点に立って商品を考えるべきなのだ。
たとえば「味噌ラーメン」が好きな人もいれば、「とんこつラーメン」が好きな人もいる。味噌ラーメンが、大好きな人から見れば「とんこつラーメンは脂っこくて、あのにおいがなんとも気持ち悪い」などと言うかもしれない。とんこつラーメンを、こよなく愛している人からすれば「味噌ラーメンなんて、味噌汁にやたらぶっといラーメン入れてるようなもので、あんなものはラーメンじゃない。邪道だ。」なんて思っているかもしれない。
あるいは、両方とも好きな人からすると「とんこつが嫌いな人は、味噌の良さが分からないだけで、味噌が嫌いな人は、とんこつの良さが分からないだけ。両方ともウマいよ。」とか。逆に、両方とも嫌いな人からすると「ラーメンなんて、どっちにしたってウマくない。嫌いなものは嫌いだ。」で済ませてしまうだろう。
四者四様。それどころか、「なに言ってんだ!ラーメンは、なんと言っても「しょうゆ味」が王道。味噌もとんこつもしょせん亜流だ」と言う人もいたりする。四者四様どころか、まさに千種万様。
誰が正しい訳でも、レベルが高い訳でも低い訳でも何でもない。ただ単に「好み」が違うだけである。
好みはそれぞれ違うが、共通しているのは「ウマいラーメンを食べたい」という点で、それだけは間違いなく共通している。
車の塗装の健康を保つ
洗車とかコーティングなど、車をキレイにする商品に対する嗜好もまた千差万別なことは言うまでもない。
しかしラーメンが、「ウマいものを食べたい」という点に共通意識があるように、車をキレイにする商品にも共通する点がある。それは「車をキレイにしていたい」ということ。と同時に「車のためになることをしたい」ということ。ともに非常に重要な要素である。
塗装面改善の方向性
キーパーは有機物である高分子共重合体の連続した被膜(キーパー被膜)を、塗装上に綺麗にかぶせるコーティングであって、定期的にその被膜の上に留まっている汚れを取り除くということで、新しいキーパー被膜を補給して、塗装の保護と塗装の綺麗な状態を保ち続ける。さらに、そのケア作業が被膜上で行われ、水を使うことによって塗装そのものに対する直接的な摩擦を避け、ケア作業による塗装劣化を避けている。これは塗装の健康に害を加えないということである。
その上、そのケアを繰り返すことで塗装上の被膜平滑を促進して、より新車の塗装に近い状態に近づけるキーパーの仕組み全体が、「塗装面改善の方向性理論」として、特許にもなっているのである。
この理論こそがキーパーを「ボディーチューンナップコーティング」と称している由縁であり、塗装の健康を促進するという意味である。そしてキーパーは、有機物である高分子共重合体を使って「塗装面改善の方向性の理論」を実現しているので、結果的に、「撥水する」。しかも結構よく撥水する。
超撥水とKeePre
キーパーの目的は、「綺麗が続くこと」と「塗装を良くすること」なのだ。撥水が目的ならば、もっと撥水するケミカルが世の中には幾らでもある。
代表的なものは「マイクロエマルジョンのアミノシリコン」で、いわゆる超撥水コーティング○○などと称されている多くの商品だ。撥水が好みの人には、これは良い商品で、確かに塗装保護の効果もある。
キーパーを販売し始めて約10年になる。発売後5年目くらいだったか、この類の商品が出現したときには、私たちも危機感を持った。これは、それなりにいい商品で、しかも非常に短時間で施工できる。施工価格も相対的に安い。
しかし、結果的にはキーパーの施工数はまったく減らなかった。それどころか、その後5年で3倍以上にキーパー施工数は増えている。
キーパーには、施工の都度汚れを取り去る効果があり、施工後は透き通った感じの綺麗さになる。そして、もちろん塗装面の改善方向がある。撥水ケミカルを掛ける超撥水系のコーティングにはそれがない。これはキーパーの大きなメリットだ。
しかし反面キーパーは機械化されておらず、施工に時間がかかるばかりでなく施工の値段も高い。これは、キーパーのデメリットである。
双方とも、直接比較すればメリット、デメリットの両方がある。しかし肝心なことは、買う側からすれば、これは「別の商品」であるということ。「味噌ラーメン」と「とんこつラーメン」が別のものであって、どちらが優れているか劣っているか、と論じることなど出来ないのと同じように、超撥水系コーティングとキーパーとは別のものなのだ。どちらを選ぶのかはその人の好みであり、超撥水系コーティングの特徴を好みとする人と、キーパーを好む人とは大まかに言えば、「別の人」であったと言えるのだ。
親水に対する根強い支持も
同じ意味で、キーパーとアクアキーパーは、敵対するものではなく別のものであって、お客様の好みの傾向によってそれぞれが選ばれるものだと言える。
撥水が好きな人がたくさんいるように、親水の特性が持つ数々のメリットを好きな人もいる。
親水と言えば、超親水性のハイドロテクトボディーコートがある。残念ながら施工の技術の難しさと施工の労力の大きさ、とりわけディコートの作業が大変であったことで、ハイドロテクトボディコートは、大きな普及を果たすことが出来なかった。
しかし快洗隊刈谷店では、いまだに毎月10台ぐらいのハイドロテクトご希望のお客様がおみえになり、6カ月ごとのハイドロテクト再施工を受けていかれる。
こうしてみても車が汚れにくくなる「親水性」の嗜好は、間違いなくある。それを私たちはハイドロテクトの経験によって実感している。
親水性と撥水性、それぞれのKeePre
それでは、アクアキーパーはどのような特徴があり、どのような人に嗜好されるのであろう。
一言でいえば、「洗いたくない」人。そして「ツヤのいい車に乗り続けたい」人。あるいは「楽に洗いたい」人。
キーパーが、有機物である高分子共重合体を2〜10ミクロンの被膜として使うのに対して、アクアキーパーは、無機物である酸化ケイ素、つまりガラスの元を10〜30ナノの厚みで塗装の上に結晶化する。
酸化ケイ素は水を弾かない親水性だ。キーパーがスプレー缶に入ったケミカルをスポンジに付け塗装の上に塗っていくのに対して、アクアキーパーは、水の中に溶かし込んだ分子レベルの酸化ケイ素を塗装面に圧力を掛けてぶつけたうえで、混在するホウ酸を経由して塗装上に結晶化させるというものだ。
結晶化した無機物であるアクアキーパーは、日光とか環境にほとんど影響を受けない。つまり、コーティングとしての安定度はかつてないものがある。だから、塗装に対する保護能力は桁違いに大きい。完璧とまでいえる塗装保護能力に加えて、繰り返し施工されることによって、塗装の平滑、つまり艶が上がってくる。結果的に塗装面改善の効果を出しているわけだ。
このように、化学的に見ればまったく違うキーパーとアクアキーパーだが、共通していることは「車の塗装がキレイなままで乗ってもらえる」こと。そして「車の塗装のためになる」ことなのである。お客様が望んでいるこの2点が、キーパーとアクアキーパーの共通点なのである。
お客様の持つ嗜好の多様性に幅広く対応するために、キーパーが撥水と親水の形で2つになったわけです。
「キレイ」と「塗装に有益」という、お客様に望まれる洗車を追及していく過程で、私たちはひとつの方向にとどまらず、常にその方法を模索し続けています。
洗車というものが、ひとつのあるべき独立した業態であることを世に発信しながら、洗車文化の確立を目指していることを、違う二つの志向に対応する商品を提供することで実践しようと考えているのです。
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