|
|
|
|
|
|
|
世界のモータリゼーション大国、アメリカ。今回、「全米オートアフターショー」というイベントにからめ、現地の洗車事業をつぶさに観てきた。スケールはさすがと言える、アメリカの洗車事情をとくとご覧あれ。 |
強風の成田空港で足止めを食らうというトラブルをあとに日本を出発した後は、搭乗便の変更もうまくゆき、合計40時間の後には古いヨーロッパ風のたたずまいのサンアントニオに到着した。ぐっすり寝た翌日は幸い時差ぼけも無く、「全米オートアフターショー」を見るのに何の支障も無い。
サンアントニオのコンベンションセンターは、幕張メッセの大きな会場を二つ分繋げたぐらいの大きさ。数え切れないほどの洗車機メーカーが、すさまじい数の洗車機をバンバン動かしていた。まるで「全米・洗車機のためのショー」である。展示されている洗車機は大きく分けて二つのタイプがある。
一つは「タッチレス洗車機」。高圧水を、L字型アームの多数のノズルからいっぺんに噴出して、短い時間でおおよその汚れを飛ばしてしまうもの。スマートで、機械という圧迫感が無い。
もう一つは、車を動かして洗ういわゆる連続洗車機タイプ。色々な機能を持つコンポーネントを、オーナーの要求に合わせて自在に組んでいくものがほとんどであった。
目を奪うデザイン・色、性能、
アメリカの洗車機器のメッセージを感じる。 |
アメリカでは機械を使った洗車が多く、その規模もケタ違いである。
エアーブーローだけのメーカーも有り、色々な形をしたケミカル・ルブリケーターもあった。
これはケミカルごとにホースの色を変え、デザインが楽しいばかりでなく、ホースの色によってケミカルの間違いを防ぐ機能性を持たせている。
我々のアメリカ行きには、共感を持って職務以上の働きをして頂いている、通訳のトニー谷川さんが探してくれた。その名も、「Ranger
Rapid Wash」を見学した。Rapidとは「速い」で、速いを中国語だと「快」という。Washは洗うこと、つまり「洗」だ。Rangerとは、「隊」に通ずる。
Ranger Rapid Washは意味では快洗隊に通ずるのである。テキサス快洗隊。滅茶苦茶かっこいいではないか。見学を申し入れるとオーナーのロバートさんは快くOKしてくれた。アメリカではたいへん珍しいことだという。
タッチレス洗車は高圧水をボディーにぶつけて泥汚れを飛ばすのだが、ボディーの汚れを100%吹き飛ばすことは不可能である。水がボディーにぶつかった時にボディー表面に薄い動かない水膜ができ、どんなに高い水圧も水膜の上で受け止め、その水膜の厚みより小さい直径の汚れは、動かない水膜の中で、やはり動かない。高圧水スプレー洗車は最大でも95%しか汚れを落とすことはできず、残る5%は何らかの摩擦を加えなければ落とせない。100%を望むなら、作業の途中で泡でも掛けてタッチアップをするか、最後の拭き上げ段階で水と一緒に薄っすらと残った汚れを拭き取ってしまうしかない。
この洗車機のすごいところは、95%の「キレイ」に割り切ったことであり、その割り切りの代わりに物凄いスピードを得たことであった。L字型アームの約20箇所のノズルから高圧水を噴出しながら車の周りをグルリと一周させ、1工程約30秒という驚異的な速さでスプレーしてしまう。
|
|