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高圧水を作るプランジャーポンプは「圧力×水量=能力」の関係で、圧力を高めようとすれば水量を減らさねばならず、逆に水量を多くすれば圧力は下がる。日本の洗車機は少ないノズルから高い圧力の水をスプレーし、その少ないノズルを機械的に大きく動かすことによって車全体を洗い時間がかかる。言わば「点」で、「面」を洗うる。それに対し米国の洗車機はプランジャーポンプの能力を上げ、水圧と吐水量を増やして「線」で「面」を洗う。L字型のアームに「20!」ものノズルを付け、「点」をつなげて「線」を作り、「線」で「面」を洗う。これで驚異的なスピードを得た。
しかし、一度にかなり大量の水が出るが、それでも高い圧力が必要だ。ならばプランジャーポンプの能力を上げるしかない。バックヤードで見た巨大なプランジャーポンプがそれだ。この大きなポンプを動かすために、大きなモーターと、大きな電力が必要となる。大量の水を使うので、その供給にも大きな投資をしている。
つまり、95%のキレイと超高速のためには、大変な資金が必要なのである。
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この店の来店数の多さには驚いた。1時間程で十数台の車が訪れ、さっさと車を(95%ほど)キレイにして、風のように去っていく。そのすべてが洗いっぱなしで、洗車後、拭き上げをする人は一人もいなかった。洗車棟とは別にテント張りの快適なスペースがあり、掃除機を使え、拭き上げをしてもいいのだが、掃除機で室内を掃除していく人はいても、拭き上げをしている人はいなかった。
工程の最後に約60秒エアーが出る。車をゆっくりと動かすことによって、強いエアーブローを浴びることもできる。でも、そのエアーブローを時間いっぱい使う人は稀であり、ちょっとだけゆっくり車を強風に当てただけで、とっとと帰ってしまう。あとは、虚しくエアーブローが空回りしているだけ。
95%のキレイさを求めてきた人たちなのだ。残り5%のキレイさを放棄する引き換えにスピードを求めてきた人たちにとって、拭き上げなどは意味がないのであろう。
アメリカでは機械を使った洗車が多く、その規模もケタ違いである。
エアーブーローだけのメーカーも有り、色々な形をしたケミカル・ルブリケーターもあった。
これはケミカルごとにホースの色を変え、デザインが楽しいばかりでなく、ホースの色によってケミカルの間違いを防ぐ機能性を持たせている。
ところで、ロバートさんのお店は、来店客の80%が女性だ。これは私たちにとって驚異的な数字である。何故こんなに女性に受けるのか。女性は、車というものにそれほど大きな価値を持っていない人が多い。と思う。だから、ピカピカにまでしたいとはあまり思わず、
1.車から降りなくていい。怖くない。
2.車を洗っている時、ブラシなどがボディーを触らないので、怖くない。
3.大きな機械が見えず、L字型のアームが車の周りを回るだけなので怖くない。
4.95%きれいになれば、人から見られたときに恥ずかしくない。
5.他の洗車よりも、安い、速い。
わが快洗隊のお客様は80%以上が男である。車は男にとって、道具であり、ホビーであり、ちょっとだけステータス。少しお金を掛けてでも、キチンとキレイにしておきたいのだ。
そんな快洗隊と相対するのが、ロバートさんのRanger Rapid Wash。
私たちがどうしても呼べなかった女性客をここまで吸引していることに感動したと同時に、何が女性客を呼んでいるのか、なぜ女性客に人気があるのか、一つ大きなヒントをもらったような気がする。ロバートさん、本当にありがとうございました。
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