KeePreTIMES sensya.com
Vol:43 2005年4月10日発行
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がんばっているお店たち
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新光石油(株)金池SS
(有)ハセ川石油
藤が丘給油

株式会社快洗隊
今月の実績
総括
刈谷店 知立店
安城店 北神戸店
相模原店 鳴海店

世界の洗車、日本の洗車
世界各国にあって、日本にないもの。意外や意外、[専業店としての洗車屋]がそれにあてはまる。
谷好通が数十回の渡航経験の中、つぶさに見てきた世界の洗車の特徴と、
日本でこれから求められる洗車を考察してみる。
日本に「洗車屋」が無い理由

 では、日本の洗車はどうなのだろうか?世界の洗車を見た上で、その対比から日本の洗車を考える。世界の洗車を考えて見たが、一つ共通していて、しかし日本には無い事がある。それは「洗車屋さん」の存在。
たった数カ国だけの訪問だが、そのどこの街角には当たり前のように「洗車屋」がある。中国のどの街に行っても、韓国でも、フィリピンでも、台湾でも、香港でも、四月に行くことになっているアメリカでも、洗車屋さんは必ず存在していて、いずれも大繁盛しているそうだ。話に聞いただけならば、イスラエルにも、ロシアにも、モンゴルにも、洗車屋さんがある。

 その洗車屋が、不思議なことに日本には無い。日本で洗車を「やってもらおう」と思ったら、ガソリンスタンドに行って、洗車をしてもらうしかないのだ。
何故、日本には洗車屋というビジネスが無いのであろうか?ふり返って考える。
 中国で洗車をしていたのは、田舎から出てきたばかりの若者たちであった。彼らの給与は300〜500元(4000〜12500円)と極端に低い。それはフィリピンにおいても、台湾においても同じような傾向であり、アメリカにおいても、メキシカンがほとんどであったという。
洗車屋さんが日本にはほとんど無いのは、日本には、他の国のように「安い労働者層」という存在が無いからである。

日本ならではの洗車機の発達

洗車機 その代わりに、日本では「洗車機」が発達した。異様に発達して、世界で最も精巧であり、もっとも高度な洗車機として発達した。
 世界中を見回しても、日本の洗車機ほど精密な動きをする洗車機はない。変なお世辞抜きで、日本の洗車機は世界一のクォリティと付加価値を持っている。

 そして、この機械は安い。日本の高い人件費に比して、日本の洗車機は大変安い。たとえば500万円の洗車機をリースで買ったとすると、1ヵ月約9万円位だろう。それに対して日本でかかる人件費は、会社が負担する総額は1ヵ月1人最低30万円はかかる。高い月給に加えて、健康保険、厚生年金、賞与、退職金、福利厚生など、たくさんの経費がかかり、とにかく高い。スタッフ一人の人件費の3分の1で、最高品質の洗車機が使えるのだ。こと車を洗うことに関して、標準的な洗車機の三倍の効率を持ったスタッフは有り得ない。 これが中国であったら、安い労働者が、総人件費でも一万円/月以下で使えるので、洗車機一台の費用に比して、若者を九人以上雇えることになる。人間九人分の効率を持った洗車機も、またなかなか無いものだ。中国の安い人件費の30倍もの人件費がかかる日本では、洗車機による洗車が当たり前となった。洗車機を設置できる場所はガソリンスタンドがぴったり。給油のついでに洗車が出来ることは、利用者にとって、とても便利なことだ。こうして、日本のビジネスとして洗車は、もっぱらガソリンスタンドにおいて、洗車機を使用しての商品となったのだった。

世界一安い日本の洗車

 そのガソリンスタンドにおいてかつての洗車は、ガソリン等の販売のオマケのようなもので、洗車自体で利益が出るかどうかは問題外であった。
だから、その単価も大変低いもので、水洗いで300円/台とか、セルフの洗車になると100円/台などと、物価が十分の一ほどの中国の洗車よりも安い洗車すら存在した。

 圧倒的に高い物価と、高い人件費から考えれば、日本の洗車は世界一安いと言っていい。
ここまでガソリンスタンドが洗車を安く売ってしまうと、人件費と土地が高い日本では、とても洗車をメイン商品においたビジネスは成り立たない。
これが、日本に「洗車屋」が存在しない理由なのではないかと思っている。
その代わりに日本には「磨き屋さん」という特殊なビジネスが存在しているが、その施工価格は非常に高いものであって、一部の特殊な嗜好を持つマニアのためのビジネスとなっている。

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