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第11回 ドラッグストア業界







再編が加速するドラッグストア。薬を窓口に日常生活雑貨全般を扱う。
「入り口」は日常生活
 健康志向を追い風に、ドラッグストアが都市部の一等地にまで増殖している。今やスーパーマーケットも雑貨店も、はたまたコンビニも、棲み分けがはっきりしなくなってきている。「売り」の入り口が何であるかだけの違いで、各々の業態の壁はすでに無く、入ってみれば生活全般に関わるあらゆる商品群が消費者心理に迫ってくる。
 ドラッグストアなるもの、そもそもはアメリカスタイルの踏襲である。アメリカの医薬分業の歴史の中では、ファーマシー(薬局)のスタンスが早くから確立していた。しだいに市販薬や健康用品、化粧品等の周辺雑貨が扱われるようになる。
 日本でも、そもそもドラッグストアは市販薬や健康用品、化粧品の域を出ない業態として80年代半ばまでは消費者も「薬局」という受け止め方でいたのだが、生活様式の変化に伴い、スーパーマーケットなどに薬局機能をもった店舗ができるなど、専門ドラッグストアの存在価値が希薄になり、日常生活を支える商品カテゴリーの多くを取り扱うようになった。ドラッグストア最大手のマツモトキヨシの店舗へ行けば分かるように、まるで雑貨店の様相である。医療雑貨のテーマパークだ。消費者は、雑然の空間から購買意欲を掻き立てられているのだろうか?

市場拡大から淘汰がはじまる
 美や健康が買えるのなら対価は惜しまないと言うことなのかどうか、まったく驚くほどの商品が世の中を席巻している。ことドラッグストアに関しての数字を見ると、02年度のドラッグストア経営企業は641社、店舗数は1万3343店、総売上高は3兆4936億円(日本チェーンドラッグストア協会調査資料による)。商品アイテムの拡大に連れ、市場規模も未だ拡大傾向にある。
 しかしながら、ここにも弱者と強者の選別が浮き彫りになってきている。今年年初に愛知県と群馬県の中堅企業がくしくも同日に倒産しているが、負債額はいずれも40数億円。特別な商品を扱うでもなく、秀でた技術があるでもなく、ただ価格競争と店舗拡大にとらわれていると結果は負の方向へしか向かない。求められる何かが必要な時代なのである。探してでも行きたい店になるか、利便性に訴え消費者ニーズを常に見極められる店になるかなのだ。
 さて、現在こうした淘汰の糸口を作っているのがスーパー大手のイオンだ。「イオン・ウエルシア・ストアーズ」の名称で全国13社の医薬品販売会社とネットワークを形成、店舗数1600余数、総売上高で6000億円を超える規模になっている(02年実績)。製薬会社と提携しPB商品開発や、備品や資材の共通化でコスト削減を実現している。
 かたや単体企業としてダントツの売上を誇るのがマツモトキヨシだが、01年に営業減益となったのを機に、こちらも同業社との提携を進めるなどグループ形成に動いている。

薬剤師不在とコンビニでの医薬部外品?販売
 たとえ業態間の壁がなくなっても、ドラッグストアの強みは薬を売っていることに尽きるはずだった。ところが、見えない敵は他にもあった。店舗が急増した反動で薬剤師不足が慢性化しているのだ。薬剤師がいない店舗で薬の販売はできない。名義貸しや不在で事件化したケースは近年多い。
 もうひとつの敵はコンビニだ。昨年、日用雑貨販売の大手ドン・キホーテがテレビ電話を使って医薬品の販売をしようとして厚生労働省からストップがかかった。大きく取り上げられ、社会問題化したすえ今年の4月から容認される見通しだ。昨年末にはコンビニでの一部医薬品販売が許可され、「医薬部外品」という名ですでに店頭販売をしている。
 自由競争社会では、出来ることの領域が広がったぶん、それ以上の厳しい環境が企業に襲い掛かってくる。コンビニという箱がドラッグストアを飲み込む日も来るかもしれない。

販売サービス業の勝ちの決め手
 決して愛想などなくても、どうしても其処にしかないものが必要であれば其処の店を利用するしかない。ドラッグストアの現状には、そうした「其処にしかないモノ」は見当たらない。であれば、豊富な品揃えやPB商品、大量仕入れによるメーカーブランド商品の価格引下げ、毎日替わる目玉商品といったアイデア企画の連発、などなど競合他社との日々の闘いに勝ち残らねばならない。立ち寄った客の、ついで買い点数も向上させる仕掛けがいる。購買時に相談する必要がない商品と、商品情報を細かく聞きたい「薬」という商品が混在する売り場でのオペレーションも重要なポイントになってくる。
 病気は待ってくれないからと夜間対応の必要性を訴える企業も、まんざら商売っ気だけで言っているとは思えないが、町の薬局が激減して相談窓口となりつつあるドラッグストアが、雑貨商の様相ではいささか 心配になるのも仕方ない。
 商品特性を熟知して、顧客に安心や心地よさや満足を売る。満足は信頼につながる。店先は導入部分で人寄せをしていても、中には手堅い安心があるようなドラッグストア。ティッシュペーパーを買いに行くことが多いけど、必要となったら走りこめる一店、そこを押さえてくれないと異業態との差異が見えてこない。
広報室 近藤 由紀子