- 第2回 自動販売機ビジネス
名古屋で快洗隊の意義 刈谷市の直営一号店を皮切りに、ドミナントを形成するように、知立・安城と店舗展開してきた快洗隊直営店。いよいよ満を持して、名古屋で開店の運びとなった。 万博を来年に控える愛知県は、昨今、日本で最も元気な自治体と称され、他地方から本社機能を移転する企業も出てきている。 愛知県の乗用車登録台数はダントツ全国一位。その中心となる名古屋は、言わずもがなの車の街だ。給油所数も北海道と僅差の第二位と来ていれば、競争も激しいはずである。 この名古屋に直営快洗隊を開店させることは、需要を確かめるデータ集積にも役に立つ。洗車需要は、地域格差がかなりある。気候条件も加味され、単純な基礎データのみでは判断できない。様々なデータを持つことにより、それらを活かしうると考えられる。この意味でも、今回の出店は新たなデータの礎となるに違いない。 魅力的な立地条件 名古屋市緑区は、名古屋市の東南エリアに位置し、昭和38年に名古屋市に合併された新興住宅街である。古い伝統の「有松絞り」が有名だが、一方で今もって区画整理がなされ、住宅が増え続けている。 快洗隊の予定地は緑区の鹿山一丁目。この界隈は丘陵地で、住宅開発も早い段階で進められた。予定地の前面道路は南へ向かうと、いづれ国道一号線に通じる。西の丘の上にはボーンチャイナで名が通る「鳴海製陶」がある。 前面道路は西向き100メートルほどの場所に要所となる交差点があり、混雑時は停車車両が列を成す。商圏となる周辺は、早くからの住宅地と開発が進む新規の住宅が混在する地域。主要公共交通網はバスであるため、個別の自家用車保有は限りなく100パーセントに近いと見られる。 洗車文化の訴求 SSも、ごく近い場所から、周辺1キロ以内に数軒点在している。洗車が地域住民にどのように捉えられているのかは判らないが、単独で洗車事業を展開する専門店としてアピール度は高いと思われる。 名古屋の人は車にお金をかける傾向が強い。大切にしている車を、「最も良い状態で維持できる洗車」というアプローチがしっかり出来たなら、ここでの勝利は見えてくる。 予定地周辺で最もにぎやかな通りであること、さらに通過車両が市内及び市外の広範囲から来ていると考えられる道路であることなど、広告塔としての役割も大きく今後が楽しみである。