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Vol:45 2005年6月30日発行
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アクアキーパー特集 5・6月号集中掲載

流行のガラスコーティング、ホンモノで勝負(2)
ガラスとシリコーンレジン

 このように「ガラス・ボディコート」の流行に乗っかっただけの無責任な商品も多いが、真面目に、新しいコーティング素材、「ガラス」あるいは、「シリコーンレジン」を、塗装保護と美観の向上に役立てる製品を、作り出そうとしているものも数多くある。

  しかし、この二つの言葉はちょっとややこしい。取り方によっては、「ガラス」は「シリコーンレジン」の一種と言えないことはないからだ。この2つが、決定的に違うのは、「シリコーンレジン」が自らの分子構造の中に反応基をいくつか持っている、高分子重合体(ポリマー)である。

  対して、「ガラス」とは、反応基を持っておらずSi(ケイ素)と、O(酸素)で出来ているSiO2の不規則な結晶体である。

  「シリコーンレジン」が「有機物」に対して、「ガラス」は「無機物」である。この辺の話は、どんどん専門的になっていくので、我が社の化学研究室のDr.サンコンに、詳しい解説をお願いした。
Dr.サンコンより

ガラスコーティングとガラス系コーティングについてもう少し詳しく説明したいと思います。
  言葉だけから考えますと、ガラスコーティングとはガラスそのものをコーティングするのであり、ガラス系とは「ガラスのような・ガラスもどきの」ガラスに近しい物質のコーティングと思われます。

ガラスとは何か

ガラスの定義とは、非結晶質の固体物質で、溶融で得られたものをいい、色々な種類があります。(ケイ酸ガラス、フッ化物ガラス、硫化物ガラス、ソーダガラス、有機ガラス等)、今回は一番中心のケイ酸ガラスをガラスとして説明します。
  ケイ酸ガラスの主成分はSiO2で、実例として石英ガラスと呼ばれているものがあります。ご存知のようにSiO2は二酸化ケイ素でもありシリカとも表現されます。

1.ガラスコーティング剤
 アクアキーパーシステムでのコーティングで、ガラス(Si O2)を水の中に溶出させ、同様に溶出させたホウ酸を核に、ガラス(Si O2)そのものを塗装面に付着させるメカニズムです。アクアキーパーシステムは、これまで充分に説明されていますので今回はこれ以上の説明を割愛します。

2.ガラス系コーティング剤
 最初からガラスとして完成した物をコーティングすると、ガラス系とは呼ばずガラスコーティングとなってしまいます。

  ガラス系とは、塗装面上に塗布・コーティングしてから反応が起こり、ガラスに近い状態又は性質になるものと考えられます。反応後に本当のガラスになる物質としては、アルコキシシランがあります。
  これは反応が強力すぎて、瞬時にガラス状(シリカ状の白い粉末)になり、コーティングは不可能なため、シリコーン分野のシランカップリング剤の原料として使用されています。ガラス系として考えられるのは、シリコーンレジンが最も適切と思われます。シリコーンレジンはシリコーンオイルやシリコーンゴムと比較し、架橋密度が高く、硬い膜が得られます。シリコーンレジンとは1〜4個の官能基(反応できる手の数)をもったシリコーンの構成単位の組合せによってできています。

Siの単位基本構成表  MとDだけの組合せでは一般的なシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)になりレジンとはなりませんし、Qだけの反応では先程のアルコキシシランと同様のため、実質使用困難となります。このためシリコーンレジンとはMとQ及びDとT(MQレジン、DTレジン)に大別されます。(シリコーンメーカーは)それぞれ構成単位のアルキル基の種類、配合の比率をコントロールすることにより、反応スピードや膜の硬さを調節しています。 シリコーンレジンの反応メカニズムは加熱硬化型と室温硬化型に分けられますが、コーティングする場合は室温硬化型が適しています。

  以上の内容より、ガラス系コーティング剤とは適度の反応スピードと適度な造膜強度、硬度が得られるようにコントロールしたシリコーンレジンが用いられているコーティング剤であると考えられます。

いやはや、いかがでしたか?かなり難解なガラスの世界。掘り下げれば、このキーパータイムス一紙では、書ききれないほどなので、Dr.サンコンの説明は、ここまでとしておきましょう。

  ざっくりとした分類としては、「ガラスコーティング」と呼べるアクアキーパー。「ガラス系コーティング」と言えるのは、シリコーンレジンを使用した物。 「ガラスコーティング」は、反応が早いため、そのコントロールが難しく、施工の困難につながり、特殊な環境と、特殊な技術を要するものである。

  シリコーンレジンを使った「ガラス系コーティング」は、その反応がマイルドなので、施工は比較的簡単だが、所詮ガラスの強度を持つものではなく、また有機物でもあるので、紫外線でその組織を分断されるものである。
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