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可能性へのチャレンジ!全てにおいて事を為さずに後悔はできない、という信念をずばっと貫き、各方面の皆様に多大なご協力をいただいての参戦となった『十勝24時間レース』。夜の帳と霧のカーテンという闇の魔物と格闘し、ひたすらに「壊れないでくれっ!」とドライバー全員が各々レースカーと話をしつつ走りきった一昼夜。大変にお騒がせをいたしましたが、『キーパー with RUNUP』無事、完走をいたしました。ありがとうございました。
ここに、楽しくも悲惨な(?)24時間を取り巻くレースリポートをいたします。怖いもの知らずの某社長も、ちょっとは「ひぇぇぇぇ〜」と叫んだとか。当レースがどんなもので、何を目指して著名なレーサー達が挑むのか、横丁で垣間見たことご紹介しながら、某社長の手記も織り交ぜてお送りします。 |
スーパー耐久レースの代表格『十勝24時間レース』
何故に人は車に魅了されるのかなどと小難しいことを殊更いう必要もないが、レースカーを操る人たちには、何か憑き物があるかのように見える。端で見るものの好奇心をくすぐるような険しい目つきで、ドライビングスーツに身を包んだレーサー達は、ドライバーズシートとミッションのみの箱に先を急ぐように乗り込む。
スーパー耐久シリーズは、そうした単純に車好きでレースを楽しみたい人ならアマチュアでも参戦できるレースだ。観るものから参加するものへ、一般道で危険なドライビングをしなくとも心底走りたければレースに参戦すればいい。しかも市販車ベースで親しみ易いときている。ただし多額の投資は否めないので、メーカーからの資金援助があるようなワークスチームとプライベートで手弁当のボランティアをかき集め参加するチームとの資金面での距離を縮める為、一定の制限が設けられているのもこのレースが親しまれる要因だ。
こうした市販車改造レースは車種別レースなど多く開催されているが、ドライビングテクニックと車を造るという観点から、可能性の追求としてそのバランスを楽しめるのが耐久レースで、山の頂にあるのが今年11回目開催となった『十勝24時間レース』と言える。
十勝インターナショナルスピードウェイは全長5,091m。国内では鈴鹿に次ぐコース全長だ。十勝サーキットは三つのコース設定がなされていて、24時間耐久レースのコースは、クラブマンコース(全長3,405m)。高低差がほとんどないうえ障害となる建造物もないので、メインスタンドからコースが比較的見やすい。
しかし。他の耐久レースとエキサイトぶりで比較にならないのが、24時間という長丁場だということ。加えて暗闇でも慣れたドライバー達は最高時速200キロを超える速さで駆け抜ける。十勝の夜は『闇!』なのに・・・。
『キーパー with RUNUP』はスペシャルボランティアチーム
メカニックさん、ドライバー、マネージャーといった先発隊はレース数日前から準備と試走のため現地に入っていた。今年の北海道は、避暑という言葉には程遠く、聞けばオリンピックイヤーは必ず暑い夏になるのが十勝とか。これでは鈴鹿で走っていても同じだ。フリー走行で、ドライバースーツに身を包む姿を見るだけで、こちらがのぼせそうになる。どうなることやら、が正直な感想だった。
レース前日は、メカニックさんやRUNUPのマネージャーのNさんと弊社のミス林は、休むことを知らない働き蜂のように動き続けている。すっかりピットが住まいのように馴染んでいる。
交代しながらフリー走行に挑む田中選手、石川選手、快洗隊畠中社長、アイタック谷社長は、すでに何本も走りこんでいたからか、比較的ゆとりのある表情が伺えた。まだ、陽は高く辺りは明るい。一日後の同時刻に死闘が始まるとは思えないムードに包まれていた。
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ここで、メカニックとボランティアの皆さん、そして多方面で応援いただいた企業の皆さんをご紹介したい。
まず、スポンサーという運営上絶対欠かせない援助をいただいたパラウェット様、TIC研究所様、アーデント様、グリット様、グローバルワイズ様、帝北自動車様。帝北自動車様には物資両面で言い尽くせないお力を頂戴した。それから燃料提供をはじめ、これまた様々なご協力をいただいた帯広石油販売様。
つぎに24時間走行に耐えうるレースカーを作り、最良の状況をキープできるようにひたすら尽力してくれたメカニック担当の岩永さん、野口さん、福本さん、そして福島さん。チームの中核を脇からサポートする役目を担って初対面チーム編成のボランティア軍団には、山口の小林さん、大崎さん、石井さんと奥さん、グローバルワイズの持田さん、誰もが初対面だった大石さん、弊社元気印の一直線男の増田くん。
本当にありがとうございました。
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こうして、初体験の皆さんが瞬く間に『それらしい人たち』に変身してくれて、我らチームの縁の下の力となってくれたのだった。
スタートドライバーは誰だ!
スーパー耐久の公式ホームページを見ると、十勝24時間レースの公式通知に、『スタートドライバー』が記されている。スタートグリッドとスタートドライバーの名前がある。記念すべき記録・・・。ここで、スタートドライバーの震える手記をどうぞ。
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今回はスタートドライバーにチョッと問題があった。つまり、スタートドライバーは、なんと、私であったのだ。神聖なるスタートドライバーを引き受けるとは。
本番の日、私は「やっぱり責任あるスタートドライバーは、俺には出来んよ」などと一生懸命抵抗するが誰も聞かない。ズルズルと昼が過ぎ、当たり前のようにメディカルチェックもパスして、とうとうスタート前のお楽しみ「ピットウォーク」が始まった。
私がスタートを担当するにはそれなりの訳がある。まず、24時間という長丁場のレースにもかかわらず、スタートではどのドライバーもエキサイトして無理な競り合いをするに違いない。しかし、ここで競り合ったのでは車に無駄にダメージを与えかねない。そこで、
競り合うような恐れのない(競り合えない)私をスタートドライバーにして、その危険を回避しようというもの。
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ピットでは、少なくとも何人かが固唾をのんでスタートドライバーを見送ったであろう。どうか、落ち着いて落ち着いて。そんななか、結構ゆとりで送り出していた印象が強かったのがチーム総監督の田中選手と石川選手だった。ニコニコなのだ。う〜ん。
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