- 第1回 産業廃棄物
「世界に新しい洗車文化を」をモットーに、アイ・タック技研と快洗隊の世界戦略が始動しました。今や世界経済を動かす勢いの中国。なかでも超近代的な都市に変貌しつつある上海に、快洗隊一号店が8月8日仮オープン、8月28日にグランドオープンです。 すべて日本の快洗隊システムを投入し、文化にまで新風を吹き込もうという勢いで、一ヶ月以上にも及ぶ研修を行っての開店は、おそらく上海から中国全土へ「洗車文化」を広める礎になると思います。 研修、開店、店の様子をリポートします。
初期研修in上海 上海快洗隊では、オープンを前にして7人の研修生が快洗隊初期研修を受けました。猛暑に加え電力不足から、上海では日中の気温が35度を超えると、バンドー(外灘)のライトアップが中止となるのですが、研修中は連日自慢の夜景も見ることができませんでした。こんな暑さの中で、初日の7月14日からハードな研修が続きました。 初日から参加したのは6人、ここまで室内清掃・手洗い洗車・キーパーコーティングに全員合格し、アラカルトの基本作業を身に付けました。 研修は、快洗隊刈谷店の中根を中心に、酒部・荻野が加わり8月14日までの一ヶ月で、日本で行う快洗隊研修を、そのまま上海で行いました。研修で使う機械・道具も日本から持ち込みました。また、中国版マニュアルの作成も急ピッチで進め、中国の事情をも加味した快洗隊が誕生します。 店舗での研修は、最初に声出し。研修中もお客様の来店にあわせて中国語の「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」を、全員が大きな声でやります。 さて、炎天下での研修で調子を崩しかけたのが、紅一点のユイさん。暑さでバテ気味でしたが、負けず嫌いな性格もあり落ち着いた動きでキチンと合格。こちらでの暑さ対策は仁丹5個くらいを丸飲みしますが、仁丹を飲んだ後は、ユイさんの体調も復活しました。 研修が進むにつれて、リーダーシップを発揮したのがポウさん。店長としての責任感も感じているし、だんだんと彼を中心に輪ができてきたようです。第一クールの5日間では、精神的な成長がありました。 そして、もうひとりのポウさん。ポウさんは、少々慌てんぼう。体力的には優れているのですが、性格的に焦ってしまうのです。焦らずに落ち着いてできれば大丈夫という感じです。都会っ子といった顔のコウさんは、ムラがあるのですが真剣な顔になった時に力を発揮します。そして、遅れて参加してきたローさん。第一クール日程中では、室内清掃・手洗い洗車に合格しました。そして頼さんのお店からは2名が参加しています。まずは、ソーさん。今回のメンバーの中では唯一店舗経験があります。過去に研修を受けたこともあり、しっかりとした動きをします。もうひとりのソーさん、こちらは腕力勝負の頑固者といった感じ。頑固者ですが、チカラではなく技術だと理解できたようです。 順調に進んだ第1クール、7月22日からの第2クール。オープンに向け新たな研修は着実に進行。大暑を迎えた上海は暑い日の連続ですが、中国に新しい洗車文化が誕生する日に向けて一同頑張りました。
インストラクターの眼 今回、海外初の本格的快洗隊を創り上げるにあたって、その重大な任務を命じられ海を渡った中根大です。見たまま、感じたままの研修リポートをします。 まず、最も感心したことは10名のスタッフ全員が、非常に向上心があることです。例えば、彼らはこれまでポリッシャーというものを見たことも触ったことも無い人ばかりで、平らに扱うことすらできない人もいるのですが、何とか技術を習得しようと日夜訓練しています。洗車に対する姿勢が真直ぐでパワーがみなぎっています。 日本での声出しは七つありますが、向こうは四つの大切な挨拶に集約されます。「いらっしゃいませ」、「少々お待ち下さい」、「お待たせいたしました」、「ありがとうございます」で、ここでそれらの中国語を紹介したいのですが、当てはまる漢字が無いので断念します。 作業は、車聖快洗隊のやり方として二人一組としています。勿論、一人でタイムトライアルをクリアできた人が二人コンビを組めるようになるのですが。作業時間の管理をとにかくしっかりするように指導してきました。やむを得ないことですが、言葉のやり取りに不十分なところがありますので、あとで気付いたのですが、キーパーコーティングの所要時間に対する認識の違いがありました。作業時間のことを全体の時間として捉えていたようで、実際はお客様にお渡しできるまでを所要時間と考えるのだと説明し理解してもらいました。 研修を終えて、品質レベルはかなり高いと感じていますが、継続的に品質管理を怠らないように指導チェックをしていく予定です。 店舗については、やや狭い印象が否めません。計画とは少々違うものになってしまい、導線の確保もままならない状況です。 お客様の待合室が全面ガラス張りなのも、我々日本人からすると、落ち着かない印象を受けますが、何はともあれ明るくて新鮮なスペースとなっています。 作業をする側としては、セキュリティの問題から作業スペースを閉鎖的にしてしまったことで、暑さで体力を消耗してしまいます。なにしろオープンにしておこうものならほとんど「盗られる!」と考えたほうが妥当なほど安全面には問題があります。 さて、快洗隊が位置する場所は上海でも高級な街区です。上海スタジアムが近く、高級ホテルもあります。お客様には、共産党の幹部やホテルのゼネラルマネジャーもいて、見学を兼ねて来店されているようです。一般のお客様は女性客が多く、ワーゲンのファミリークラスの車が主に使われています。民間会社のアッパー客はセルシオやベンツです。ちなみにセルシオは日本円で2,000万円近い値段です! お客様の反応をうかがったところ、「洗っている姿がキレイ」だそうで。満足されているという声も多く聞こえます。それにしても水洗いの洗車が圧倒的に多く(8割)、あとは超撥水コートです。キーパーはこれから浸透していくと、期待しています。 最後に、私がお国柄の違いをまざまざと感じたのは食文化ですね。やはり郷に入れば郷に従え。日本流の食べ方ではなく、向こうの食事は向こう流で食さないと痛い目にあいます。ただし、快洗隊は全く新しい洗車文化です。これは必ず日本式中国洗車として大陸でブレークしてくれると思っています。