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室内の掃除機掛け。細かいところを専用ブラシでホコリを掻きだしながらエアガンで飛ばし、次にインテリアクリーナーを床面一面にスプレーし、ブラシでホコリを掻き起こしながらバキュームで吸う。 |
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室内の樹脂部分にはレザーケアローションを塗り込む。専用のブラシは使い良さそうでいいなと思ったが、作業自体に特に変わったところは無い。しかしそれにしても、手際がいいので気持ちが良く、それに手順が面白い。
ファブリックのシートは、10%に薄めたインテリアクリーナーをノズルの先から噴出しながら吸い込む事ができる、よくあるタイプのシートクリーナーバキュームを使っていた。
「これでやると、クリーナーがシートの奥に入ってカビの素になりませんか?」そう聞いたら、「だから、よっぽど汚れたシートしか使わないよ」と答えた。よく解っている。普通はもっと違う方法を使っているようだ。
レザーシートは、インテリアクリーナーを全体に容赦なくスプレーし、マイクロファイバークロスでごしごし擦り取っていく。その後、レザーケアローションで処理する。 |
エンジンルームのクリーニングも大胆だ。いきなり、コールドクリーナーをたっぷりとエンジンルーム全体にスプレーし、少し間をおいた後、高圧水でドカンと洗ってしまう。
そのあと、スプレーガンなどで水を追い出す作業などを一切せずに、防錆潤滑剤である「MoS2オイル」をたっぷりとスプレーし、そのまま一晩おく。
そうすると、しっとりとしていい感じに仕上がるのだそうだ。 |
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この店は、カークリーニングノウハウの宝庫のような気がしてきた。外国の技術は、自分たちの発想とは違う思いもよらぬものがあって、もう、聞きたいことがいっぱいである。ところが、飛行機の時間があるとのことで、後ろ髪を引かれながらノウハウの宝庫に別れをしなければならなくなった。
「絶対にまた来るので、ぜひ、もっと教えてください。絶対にもう一度来ます。」
彼らの目をじっと見つめてそう言ったら、「ああ待ってるよ。お前達は、どうも俺たちと同類のようだね。待ってるよ。」そう彼の目が言ったような気がした。
実にカッコイイ、誇り高き職人さんたちであった。
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アメリカ合衆国とヨーロッパ諸国(と言ってもドイツとオランダだけ)を巡り、グルッと地球を一周回ってきた。
得たものも多く充実した出張であったが、アメリカとヨーロッパは、日本から見れば同じ西欧であるが、あまりにも違う国であり、あまりにも違う国民感覚であったことを改めて感じた旅であった。
アメリカでは、あちらこちらで星条旗を見た。星条旗がアメリカ人としての共通項であるようにいかにも誇らしげに星条旗が、あちらこちらに掲げてあった。
アメリカは、白人、黒人、アジア人、ヒスパニック人、インド人とありとあらゆる人種と民族が、星条旗の元に、同志に似た共通の想いを持って、アメリカという一つの国を形成している。そんな感じを持った。「心でつながった集団」という感じだ。100%に近い人がルーツとしてよそ者であり、外から集まった人たちなのだ。共通して持っているものはアメリカという精神。スピリットを強く感じるのだ。
アメリカはいかなる物をも、いかなる人をも受け入れる力がある。ヨーロッパは、わずかにドイツとオランダというゲルマン系の二国しか訪問していないので、ヨーロッパというくくりは適切ではないかもしれないが、あえて感じたことを書く。
ヨーロッパにも、多くの人種と民族が同居しているが、その国を形成しているのは、圧倒的多数の元来そこに住んでいる人たちであり、その文化も経済も元々棲んでいる人たちのものであり、ごく一部の場合を除いて、よそ者を真の意味では受け入れていない。「血でつながった集団」が、その歴史と文化を根拠に国家を形成している。そんな感じだ。
昔ながらの街並みが多く残っているのは、単に地震が無く、石造りの建物なので、古い建造物が残ってしまっているというわけではなく、間違いなく、歴史をそのまま残すという意思を持った、文化としての古い街並みであった。
アメリカよりもより明晰に感じる排他性は、"純粋"を守る意味にも感じる。「血」を根拠にしており、家族を根拠としている。そんな国がヨーロッパの国達である。明確に違う文化と、言葉と、国民性が存在しているのだろう。EU連合を組んで、EU国同士の関税と検閲を撤廃し、ユーロという共通の通貨を持って、事実上、国境を撤廃してしまったとしても、そのことは永遠に続くもののように感じた。また、それがヨーロッパの強さの源泉でもあると感じた。
どちらが好きか?
ただ単に好きか嫌いかだけでいえば、今は、アメリカが好きである。良いとか悪いとかの尺度ではなく、ただ単に好きか嫌いかだけでは、今は、アメリカが好きである。なぜか?などという理由はまったくない。アメリカには、またすぐにでも行きたい何かがある。そんな感じがするだけだ。
アメリカを見て、ヨーロッパを見て、アジア諸国に進出し、そして日本に住み、活動する。
「洗車」と国民性を照らし合わせ新しい提案を行う。そんな事を考える、大きなヒントを得た、長い長い10日間の出張であった。
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