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たとえば、安城店の場合 -立地に恵まれた店舗、キーパーで心を掴みリピーターが増えた |
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| いきなり新記録、オープン月231万円は未だ破られず |
安城店のオープンは03年8月2日。お盆時期の需要に間に合い、波に乗って叩き出した開店月の洗車売上231万円は未だに直営店レコードである。
お店にとって開店当初の賑わいほど心強いものは無い。
1号店の刈谷店の成功を背景に立ち上げた2号店の知立店は、大型ショッピングセンターの目の前で「コバンザメ商法」の利を得られるかと思ったが、意外に伸びない。そこで、3号店の安城店は、ガラッと立地の発想を変えた。
地元の住民が利用する片側一車線の生活道路に面し、しかもおよそ50メートル先に信号があって、信号待ちで並ぶ車の眼の前が店の仕上げ場である。いやでも洗車が、キーパーが、拭き上げが目に留まり、店に響く接客の声が耳に入る。目から耳から、繁盛店らしさが入力され、自然に認知されていく…。
そんな土地に、先行2店での経験を活かした効率の良い場内レイアウトを施した店でレコードが産まれたのだから、その後にも期待がふくらむのも当然だった。
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しかし、絶好調のスタートを切ったその翌月から、厳しい現実に直面しなければならなかった。なかなか客足が伸びず、いきなり洗車売上は前月比38%減の144.5万円。
鈑金塗装などのカーケア売上が117.5万円に伸びたため売上全体では10%減で済んだものの、洗車売上の低迷は翌10月、翌々11月も続く。
この低迷は、固定客の少なさが原因であり、安城店に限らず、ほぼ全ての快洗隊店舗が味あわさせる洗礼である。とにかく一度来店いただき会員登録をさせていただく。会員数が増えるまでは歯を食いしばって我慢し、ご来店されたお客様には最大の満足を感じていただくために最高の洗車をする、本当に我慢の日々なのである。
とはいえ、洗車の最大需要期である12月は、安城店の沈滞ムードを吹き飛ばしてくれた。洗車売上は450万円、先輩・知立店にわずか1万円にまで肉薄と、沈滞3ヵ月間のうっぷんを晴らした。アクアキーパーのデビューと重なり、12月は31台施工で94万円の実績。売り上げ増に大きく貢献してくれた。
しかし人員確保が思うに任せず、本当にスタッフが苦労してくれたおかげでこの記録が達成できたのだ。
明けた04年。洗車商売にとって最も辛い1・2月、少しでも需要を喚起しようと、年末に好調だったアクアキーパーで二匹目のドジョウを狙い、1月にチラシを打つ。しかし期待に反して、8台・20万円に止まってしまった。販促費こそ取り戻せたが、人件費を考えると失敗。
洗車は、非需要期に販促を行っても意味が無い。需要期に打ってこそ効果があると実感した。売る側の都合で打つ販促は、無意味であるということだ。
開店8ヵ月目の4月は洗車売上232万円と、久しぶりに200万円台に到達。この年の6月と9月に100万円台があるが、それでもこの4月以降、安城店は洗車売上200万円のお店に成長した。
その理由は、登録会員数が二千人に達したことにあるだろう。固定客(リピーター)数が快洗隊の基盤そのものであり、会員を増やし、そのリピート率を高めることが店舗運営の何よりの宝であることがわかる。
さあ、次の目標は300万円のお店になることだ。
250万円にほんの僅か足りなかった7月、意欲満々で待ち構えた8月はお盆まで絶好調だった。 しかしここから台風ラッシュが日本を襲い、すっかり予定が狂い始める。お客様の出足が鈍り、結局前年割れとなった213.9万円をもって初代マネージャー・藤村弘樹は任期を終えた。
いまだにこの前年割れを、「屈辱」と語る藤村は、初めの8月のレコードと、次の8月の屈辱が頭を離れないという。開店当初、スタッフを引き連れて一生懸命土日早朝のポスティングに駆け回っていた姿を思い出す。近隣との近所付き合いにも気を配るという適性も併せ持っていた。
引き継いだのは中根大。藤村が育てた200万円店をどう伸ばすのか、「根性派」のパワーに期待をかける。
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