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谷/快洗隊を導入するという時、必ずもめるのが、給油の導線を切ってしまうことで。
神垣/僕、去年の年末に書いたのですが、一日の売上が洗車だけで30万あがったと。快洗隊を見れば、70万とかなってる。
ガソリンは10キロ売ったところでリッター8円くらいのマージンで8万円。そうであれば、30日、31日のガソリンの販売をヤメたら?ということ。止めるわけには実際はいかないけど、それくらいの発想転換が必要だと。
実際、この12月の最後の4日間、ウチの店はレイアウトが決まっているんです。
去年もちょっとやったんですが、今年はもっと徹底してやります。
洗車優先。灯油はシーズンとして外せませんが、洗車に6台分スペースをとろうと。
結局、燃料を注ぐスペースは右左給油口があるから、真ん中のレーンだけ残しておく。「残す」という感覚です。
洗車を30日、大晦日は、本来なら35万くらいのところを、2日間で50万円やるというレイアウトを考えたら、こうしかない。ウチで年末はガソリンが7〜9キロしかないのだから、これにしちゃおうよと。これくらい発想を変えているんです。
もうひとつは、去年はキーパーと鉄粉とりで7千円のコースだったのを、今年はグレードを上げて、ウィンドコートも含めて9千円コースをやってもらおうと。
また 最近は水洗い洗車とかがほとんどなくなって、今年は最後の4日間くらいは、水洗い洗車は中止させていただきますという張り紙くらいはしようかなと。
でも不思議ですね、1800円だった室内清掃とワックス洗車のセットをスペシャル洗車と呼んでいたんですが、もうほとんどない。
逆にチラシをずっと継続的に打っていたら、お客さんのほうから、「あの5千円のセットして」と、特に手洗いセットの5千円というのを注文される。
ひとつは値段を上げる。ひとつは導線を変える。
谷/今800円のものをどうやって千円にするかということより、いっぺんに5千円だ8千円だと上げてしまったほうがいいんですよね。
神垣/今年は年末26日にもチラシを入れます。
効果のほどはやってみなければわかりませんが、普通はお客様の要望がある時期にいれるのが鉄則。
SSはガソリンが主体の業界だから燃料給油が最大目的で、ただでさえ忙しい年末に油外のチラシなんて発想はなかった。
谷/アクアキーパーが快洗隊では馬鹿あたりしているんです。
車全体のコーティング。ただ、4回施工でワンセットだから、年末に集中すること決まってるので。もう刈谷でも50台は受注している。これは大変なことになりそうだと。去年までは各地の営業マンが刈谷に集中してきたからこなせたけど、今回は神戸、知立、安城と4箇所。どうなるかとね。
神垣/ウチも快洗隊さんを知る前の6年前だと、12月でも120万円くらいで、一度だけ160万行ったことがあるだけ。
要は機械洗車で水洗いとワックス掛けで年末一生懸命やってもそんなくらいだった。でもコーティングにしたり、手洗いに変えたりして、さすがに水洗いのお客さんはこなくなっちゃった。ラッキーです。
去年も280万あがってますけど、油外全体からいったら4割ですもんね。630万くらい油外はあがってる。
やっぱり油屋だから、燃料油と油外のバランス、油外の中の洗車とのバランス。
※後日談:神垣石油さんは、12月洗車売上368万を含む、油外粗利778万円を達成された。取材日は12月8日。
谷/お客さんの中には色々とガソリンスタンドに対するニーズとかがある。そのバランスがどれくらいか、好みとか、このハードでそのニーズをこなしていけばいいのかと。
神垣/そうですね、この23年その究極を求めているのかなって感じですね。
谷/油が悪いんだって、そんなことを言うつもりは僕はないわけで、僕も20年油をやってきた。2年前に計量器をとっぱらったでしょ、あのときでもやっぱり断腸の思いでしたからね。畠中がどうしても取ると言うものですから(笑)仕方なく。
快洗隊を新しい会社にするにあたって、この際だから計量器を取りましょうと。
神垣/今の話を聞いて思い出したのですが、燃料の話に戻ってみたら、自分の店の販売量が最低どれくらいいるのかとか、逆にここの店でこのままやっていたら早く自分で計量器を取っ払って、リフトを設けるのがいいのか洗車コーナーにする方がいいのかな、早く見極めるのもひとつかなと。
それで、見極めたら今の人員でいいのかということになる。
早く自分の燃料油部門の絵を描くということをね。
谷/いずれにしてもね、油の商売を大切にするということと、いかにも油屋はこうでなきゃいかんというスタイルを維持することとは、別の事と思うのですが、そのあたりがすごく足かせになっていて、店を変えていくという妨げになっている。
神垣/予測では、ガソリンスタンドはトータルは6割ほど減って、セルフとかで一割は増え、結局は半分になると言われています。
しかし残った人がすべてSS経営者かと言うとそうではない。コンビニがあり、カーショップがある。そして私のように地域密着型SSの一番のライバルはカーディーラー。
スーパーもコンビニもガソリンで儲ける必要はないんです、客寄せなんです。
かたや、カーディーラーはお客さんと接点が欲しいだけで、やはり燃料の粗利益は求めていない。
新規の店では、表はガソリン給油ができるようになり、奥にディーラー機能があるということになってきた時に、じゃあガソリンスタンドは何をしなくてはいかんかと言うと、逆に車のことを気安く相談できる相談したいというところにならにゃいかん。
谷/能力のある人間がいてやることがフルサービスだと思うんですね。フルの体制はね、できるものがいるということ。その人間に対しては、金も時間もたっぷり掛けた教育を受けさせるべきですね。
神垣/オペレーターが大切ですよね。そういうフロントを含めてコントロールできる。
燃料の落ち込みを爆発的に解消するまでの油外にしようとすると、発想を変えて250万円以上の油外にしないと利益は生まない。
で、それをしようと思ったら、洗車が100万円を超えること。
もうひとつはリフトを上げて下から見る商品、ドライブシャフトブーツだったり、そういうものをね。ブレーキパット、これは認証工場でないとしてはいけないんだけど、皆やっている。そういう足回り商品をやってね。これのいいところは、普段お客さんが見ることのできないところですから、お客さんの信頼が得られる。
一時期ガソリンスタンドから整備士を排除した時代がありましたが、今またガソリンスタンドに整備士を雇う時代が来ている。
これが僕の結論です。
谷/今カーディーラーとカーショップとホームセンター、ガソリンスタンドが、車に対して同じような仕掛けをしようとしている。
各々が切り口は違っても同じところへ向かっている。自分の弱みは結構皆さん知っている。
油屋さんは来店頻度はずば抜けているが技術力がない。
それぞれがそれぞれの商売で美味しい部分を食っちゃっている。
それで、真ん中に残っている美味しい部分を皆で食い合おうと。
どこが美味しいのかって。
神垣/洗車も僕自身がもっともっと取り入れていかないといけないと思ったのは、車が良くなって修理も減っている。洗車のニーズとかはお客様との接点がすごく多い。
だからそう思うと洗車から入っていって、良い洗車をしてお客さんによくやってくれるねと、それでついでにこれも見てくれる?
というきっかけを期待している。
谷/だから、洗車が入口のスタンドって、やってみたいですね。私としては。
神垣/そうですね。みんな車にたずさわっているのですから、何をメインに入り込んでいくかだけになったように思えます。私はスタンドが入り口で洗車をやっている。(笑)
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