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神垣/似通ったことではダメ、完敗。フルサービス店は、お客さんが喜んでくれることを考えたアクションを起こすこと、具体的にはそれが良質洗車であったり、車のメンテナンスを見てあげるとか、困ったときにバッテリー上がりだけでもいいし、鈑金だけでもいいけど、そういうちょっと出来ること。模範解答で言えば地域密着型。当然、それなりに料金をいただかないといかんけど、堂々と徴収すれば良い。堂々とサービス相応の料金を取らないから、赤字になる。
23年前、初めて米国へ見学した時、時間当たり1万円修理代を請求する話に驚きましたが、今うちでも7000円/hrを基準にしています。
谷/ガソリンスタンドで「アルバイトだけだからパンクの修理できない」と言われると、がっくりしちゃいますよね。
神垣/だからね、難しく考えないで、昔やってたことをやってあげようよと。パンク修理しかり、出張作業しかり。
また、お客さんが喜ぶ一言を加えようよと。洗車が仕上がったときも、「お客さんキレイになりましたよ」とかね。自分でやって自分で言ってりゃ世話ないけど。
ウチの店では、「いらっしゃいませ!」とか「ありがとうございました!」なんて、鯱張ったところから入らない。「おはようございます」であり「お帰りなさい」「行ってらっしゃい」にしているんです。お客さんにアットホームなところを、どう感じてもらうかですね。
アットホームなんだから、お客さんが困っていたら行ってあげる。
営業時間内なら何してもいつでも行きますよという体制をとると、社員は必ず3人以上は要るということになる。
とにかく困ったことがあったら、「あのシェルのお店に行けば良かったんだ」ということだけ覚えておいてもらうためにも商圏内にチラシを配布している。
谷/そういう店って本当は望まれているのかもしれない。頼れる店、あてになる店。
神垣/油屋としての生き方ってお尋ねですが、ウチはちょっと中途半端なくらいで、馬場さんのようなやり方があって、かたや徹底的に割り切って、オンボロのスタンドを安い家賃20万〜30万で借りてきて、一切燃料しかやらない、ボリュームも80キロくらいでいいと、小さく手堅くやっていくか、どちらかの両極端になるのかなと。
でもそれは家賃、リース料が安いと言う大前提がいりますよね。
一番大切なのは家賃等の人件費以外の固定費が最低いくらいるか、それまでも油外で賄えるとしたらたいしたもの。
でなければ、やはりガソリンで上がってくるマージンがいくら必要だということになる。
谷/その先を聞きたいんですけどね。
神垣/どっかが潰れると信じていくしかない。そりゃあ生き残り合戦しているんだから。元売りの援助がないことは誰しも100%理解しているが、さりとて具体的にどうしたらよいのかわからない、動けない、新しい一歩が踏み出せない人が実に多い。
谷/でも周辺の店が潰れてもあまり影響が出なくなっているんじゃないですか?
神垣/そうですね、100キロ販売の隣が閉鎖しても5キロしか増えなかった。隣は現金とプリカ店だったからまったく客層違い。
谷/お客さんに対して便利であるとか、頼れるという店づくりをしていけば、確保できるじゃないですか。
神垣/ただ、燃料油収益ってのは放っといてもあるわけですから、それを安売りするのは愚の骨頂かなと。
谷/あれはどういう心境なんですかね。結果的に自分の首を絞めるじゃないですか。
神垣/安売りでずっとやっている例は聞かないです。
今は、元売り子会社以外で安売り生き残りはあり得ない。自己資本での安売りはあり得ない。 |
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