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●水性タイヤワックス
水性タイヤワックスとは、界面活性剤により、シリコンを水に「乳化分散」させたもの。
この場合は、油性の物質が水に分散しているので、専門用語で言うと、「O/W」エマルジョン(W=水ベースの、O=オイル=油性物質分散型のエマルジョンという)「O/Wの乳化分散」とは、分子同士が交じり合う「溶ける」状態とは異なり、油性の物質の微細なカタマリが、水の中に浮遊している状態。身近な例で言えば「牛乳」がある。



※水性ワックスとは、乳化分散で出来ているので、その名の通り「乳白色」である。
水性タイヤワックスは、タイヤに塗られたときに、シリコンがタイヤに選択的に付着する。
長所…………………………
シリコン自体はタイヤのゴムに対して、破壊的な要素を持っていないし、むしろ保護の役割をもつ。もちろん「水」も、タイヤに対して無害である。だから、水性のタイヤワックスを繰り返し使用しても、タイヤに対する破壊性は無く、安全性は高い。
短所…………………………
もともと溶け合わない水と油を、「分散」という特殊な技術で、希釈してあるものなので、安定性に欠ける。不安定なものは、静止させておくと、簡単に分離してしまう。
イメージ画像そこで、分散の安定性を増すためには、より強力な界面活性剤を使用すれば良いのだが、強い界面活性剤を使用すると、シリコンがタイヤにくっつく前に、水と一緒に落ちてしまい、タイヤワックス本来の性能が出ない。




タイヤワックスとしての性能を上げるためには、できるだけ安定性を取るか、性能を取るか、そのバランスが最も重要であるのだが、所詮、水と油であり、より多くのシリコンをタイヤに付着させるためには、シリコン自体の濃度を上げることになり、コストが高いものに成りがちである。
タイヤワックスの価格は、シリコンの濃度でほとんどきまってしまうのだ。
 
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