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●欲求商品としての洗車考
  洗車は、「買う側」の意思によって選択され、欲しいという動機によって、買うかどうか決められる。言ってみれば“欲求商品”。今後、洗車に大きな収益拡大を期待するならば、洗車の“欲求商品”部分のマーケットをも開発していく必要がある。売る商品としての“必要洗車”だけでなく、買う側の欲求によって買われる“欲求洗車”をも開発していくべきであるということ。それによって、洗車商品の可能性が大幅に広がる。
 欲求洗車とは、買う側の欲求を捕まえること。だから、買う側の欲求を知る必要が生じる。「売る側」が「買う側」の欲求を知るとは、反対側の立場の人の、心の中を知るということになる。


 「相手の立場になって考えれば、相手の気持ちが分かって、理解し合える」ということをよく言う。これは簡単なようでとても難しいことだ。しかし、商売とは「買う側」のことを考えるのが基本中の基本。特に接客とは「気遣い」であり、相手の気持ちにどれだけ立つことが出来るかどうかだ。


「自分が客なら、買うか?何が欲しいのか?」
「自分がお客様の立場なら、今自分が売っている洗車を買ってくれるか?」
「自分がお客様の立場なら、どんな洗車が欲しいのか?」
「自分がお客様の立場なら、自分の車をどうして欲しいか?」



イメージ画像 一度素直に考えてみるべきではないだろうか。売る側の都合、自分の都合を一度さっぱり忘れて、自分を買う側に立たせ、考えてみるべきではないだろうか。今よりもっとキチンときれいになる洗車も欲しいのではないか。だが、この人減らしの時勢「そんな面倒なことやっていられない」のかもしれない。しかし、それは売る側の都合で、面倒が掛かるのなら、それなりにお金をいただけばいいのではないだろうか。自分なら、いくらぐらい払うのか。


 ただ、現状自分は、実際には売る側にいるわけだから、いくら買う側に立ってみようと言っても、なり切れるわけではない。そんな時は自分の良く知っている人、奥さんとか、親、兄弟、親しい人といった、身近な人に自分がなったつもりで考えてみるのもいい。少なくとも、今現在、自分の店で洗車を買ってくれている客、つまり今の洗車客のことを考えてはいけない。今現在の洗車客は、今の洗車が(で)良くて、買ってくれているのであって、新しい洗車客層の開発にはあまり結びつかない。
 たとえば、自分が今とはまったく違う職業の人間であって、しかも、新車を昨日買ったばかりである。そんな状況をシミュレートしてみればいい。


「その新車に何をしたいか?」「その新車がどうあって欲しいか?」
「隅々まできれいでいて欲しい」「艶があって、ピカピカ光っていて欲しい」
「傷を少しでも入れたくない」「新車の今のままでいて欲しい」
「○○○○円/月ぐらいなら払ってもいい」



こちら側の都合を度外視して考えることも必要である。そして、それが自分の店で実現できるかどうか、それをどうやれば実現できるのか、やってみると意外と簡単である。
 
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