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●失業の内訳
 失業率が5%の大台にのってから、もはや国民はその数字に驚くこともなくなった。製造業が国内のコストでは割が合わなくなり、海外に移行、さらに機械化による生産ラインの少人数化等、就業環境は厳しくなる一方。ただ、リストラの犠牲となった中高年の失業者というのは、総務省の統計によれば、ここ数年実数としては騒がれるほど増えていない。実際問題、中高年が就職しようとするとき、職業は選択できない状況はある。ビルや駐車場の管理業務、歩合制営業、タクシー運転手…。もちろん前職を活かせる人は希にしかいない。


この5月末に出された「国民生活白書」を受けて、あるカウンセラーが求職活動支援セミナーでこう言っている。「企業の年齢制限は気にせず、人事担当者に直接手紙を出して、訪問してください。買わない宝くじは絶対に当たりません」。中高年の就職は、宝くじを買うようなものなのだそうである。


というのも、実のところ日本では若者の失業率が飛び抜けて高い。


15〜24歳の完全失業率(2003年4月)は12%で、採用企業としても、できるなら賃金が低くて済む若年層を求めるのは自然なことだと考えられる。ただ、若年層の失業の裏側にあるのが「自発的失業」であるため、企業としても採用にはかなり注意深くなるしかないのも現実だ。
 
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