キーパー講座                                                           
KeePreに関わる注意事項
〜キーパー・テキスト実践編 2002年版より〜

   注意1  ワックス浮き出し

まれなケースではありますが、KeePre施工前にコンパウンド入りワックスを念入りにかけていた車、あるいは強アルカリを使った水垢取りを繰り返し行っていた車などの場合、初回ケア施工後たった一雨で汚れてしまう場合があります。
一見水垢のように見えますがそうではありません。これは塗装面の凸凹が大きく、しかも高い密度で存在する水垢が【爆白P.K.プラス】の作業によっても除去を仕切れず、【ベースアップ2埋め込み】によっても封じ込められなかった水垢などがファイナル1被膜の塗装に対する強力な吸着力によって、表面に押し出されてきたものです。
爆白P.K.プラスで除去することは簡単ですが、ワックス分を出し切ってからでないと、また同じことになってしまいます。
最低3週間置いてから浮き出しワックスを爆白P.K.プラスで除去し、メンテナンスの要領で【ファイナル1被膜強化】を行って下さい。
ワックス浮き出しの恐れのあるような車を施工する場合には、前もってその可能性をお客様に伝えておくことが大切です。

   注意2  車はきれいにするほど「あら」が見えてくる。

塗装についている老化したワックスなどの汚れが水輪紋・こすりきず・へこみ傷などを見えにくくしている場合があり、KeePre施工で汚れを除去することによってそれがむしろ見えやすくなってくる場合がある。
とくに水輪紋は施工前にお客様が気が付いていなかった場合があるので、見積り時点でお客様に告知しておくことが必要です。
水輪紋は、酸性雨が塗装面あるいはガラス面に付着しているワックスなどのシリコン分を焼き固める現象などで、KeePre施工後は、むしろ水輪紋が付かなくなります。
しかし、KeePre施工前についていた汚れたワックスに水輪紋が隠れたりしていると、汚染除去によってかえって目に見えてくる場合があります。確認できた段階でお客様に報告しておくことも必要です。

   注意3  ドアミラー・ゴムからの汚れのタレ

KeePre初回ケア施工後まもなく雨が降った場合にドアミラーの下の部分とか、ウェザーストリップのゴムの部分から、汚れが垂れたように汚れる場合がある。
これもやはり酸性雨が主因です。初回ケアしたばかりの時は、ファイナル1被膜の防汚能力がまだ完全ではないので、酸性雨の中に含まれている汚染物質が被膜状に付着しやすい傾向がある。
特に汚染された酸性雨が予想される地域や、時期(四月から九月)は、降雨後、早めの洗車をお薦めすべきと思います。酸性雨によって付着した汚れは、ファイナル1で比較的簡単に除去できます。

   注意4  撥水(水はじき)の問題

 ファイナル1被膜は油ではないので、ワックスによる撥水とは性質が異なる。
つまり、ワックスの場合色々な汚れが付着しても、汚れがワックスの中に浸透して(水垢となり)ワックス分が表面に出ている状態で撥水性を維持させるが、ファイナル1被膜は、汚れをその表面で防御してしまい、汚れが付着すると撥水が鈍くなってしまう。
汚れが付着してしまう前に洗車をすれば(つまりこまめに洗車していれば)このような事はないのですが。汚れが付着して撥水が鈍くなってしまった車でも、洗車をすれば撥水はほとんど復活します。
ただし、洗車機などで洗車をしている間はまだ撥水しません。洗車が終わって拭き上げが終わった時点で撥水が戻ります。洗車機を通っている間、水がベタッとしていますので心配になってしまうかもしれませんが大丈夫です。
撥水効果というのは、新車時の塗装が見せるような、塗装面から水が捌けていくような状態がもっともよいのですが、とにかく水が弾いていないと納得しない方もいる事は事実です。できればKeePreの清潔感のある程々の撥水のよさに気付いてほしいと思います。

   注意5 ファイナル1被膜の「のり」が悪いとき。

ファイナル1被膜の、のりが悪いと感じる時があったら、次の原因が考えられます。

1.下地処理が充分でないとき
例えば、汚染除去を施したら塗装面がしっ  かりしたように見えたもので、ベースアップ2 での埋め込みによる塗装改善をしなかった 場合など、塗装面の状態が予想外に劣化 していて、ファイナル1被膜が定着しづらい場合があります。ベースアップ2の処理から やり直して下さい。

2.硬い蝋被膜タイプのコーティング剤が使用してあった場合
最近、撥水を強調しているコーティング剤が 流行ってます。このタイプは固い蝋被膜でフ ァイナル1被膜を定着しづらくしている場合 があります。(このケースと考えられる場面に 出会ったらお客様に「前になにか、強いもの を塗っていましたか?」とお聞きしてみるとよい。) 爆白又は、RA-300 で強く汚染除去すること が必要です。ただし、その結果、塗装面に 微細傷が出てくる場合があるので、K-3で 軽く研磨をする必要がある場合があると思 います。

3.急に気温が上がる時期 その1
塗装面の凸凹部に詰まっていた油がじわじ わ浸出してきている場合、汚染除去が思っ たより大変な場合がある。
その場合、RA-300で汚れを軽く浮かし取っ てから被膜をかける。

4.濃色ソリッド車で特に紺色・赤色の場合
顔料が塗装表面に多く密集していて表面が微妙に安定してない場合がある。汚染除 去と埋め込み(ベースアップ2)を少したんねんに行うと、すんなりファイナル1被膜を定着 できる。

5.塗装が非常に柔い車にKeePreを施す場合
 SFC,(フッ素樹脂塗装)の新車から半年以内、 および通常塗装で新車から2ヶ月以内の車 は塗装がやわらかいので作業に対して力を 抜いて行う必要がある。

6.下地処理剤の洗い流しが充分でない時
 被膜が、のりにくい場合があるので、下地処 理剤はよく洗い流すこと。