Vol.16>眠れる洗車市場を開拓

 

眠れる洗車市場を開拓

ズレの解消が莫大な洗車市場を創る
洗車という言葉の意味
日本中の津々浦々まで「洗車」という言葉は、ごく一般的に慣れ親しまれている。しかし言葉は同じであっても、現在は売る側と買う側で意味が違う部分が多い。売る側、すなわち我々SS業界人における洗車とは文字どおり「洗う作業」が洗車の軸である。手で洗うか、洗車機で洗うか?また、洗った車に何をかけるのか?ということが商品の中身になっている。一方ドライバーがイメージする「洗車」とはそれぞれの人間の主観に基づいた「私の車を、今日はこんな風にキレイにしたい」というものである。もちろん、洗う、磨くということが主になることが多いが、時にはアルミホイールをきれいにすることで達成感が得られたり、飲み物をこぼした後始末をすることが「洗車」の場合もある。ペットの毛を取らなければ、とがんばる時もあるし、匂いを消すこともキレイにするための洗車なのだ。また、多くの人が「新車を買ったらどういうコーティングをすれば長く新車のままでいられるか?」というテーマに頭を悩まされ、それを探すための情報収集や店回りが、買う際の楽しみにすらなっている。

快洗隊でつかんだ洗車
4年前のオープン以降、刈谷快洗隊は洗車の専門店化のために力を注いで来た。よく言われる感想に「洗車に専念できていいですね」と言われるが、店を運営する側からすれば「洗車しかない」のである。雨が三日も続いて売り上げが1万円もない時もあるし、事故が起きた時など続けていけるのかと自信を失うこともある。その状況に置かれて、ドライバーが何を望んでいるかを模索することに必死になるのは当然だったし、逆に様々な商品提案などの試行錯誤をくり返した。その結果が現在の200坪足らずの店で月商400万弱という状態まで漕ぎ着けた。年々上昇し続ける刈谷快洗隊の売り上げに対し、「何か特別な販促をしているのでは?」と疑問を投げかけられることもあるが、内状は逆である。試行錯誤をくり返すために、一貫した販促戦略は組めないし、SS業界からすればむしろ杜撰と取られてもしかたが無いような迷走を続けている。現在の売り上げは周辺地域の人々が「自分で洗車するよりまかせたほうがキレイにしてくれる」と認識してもらっているからにすぎない。

洗車の捉え方を拡大する
ドライバーが望む洗車の中には「仕上がった車に水滴が着いているのがイヤ」というものもある。「ピッチが取れるなら2000円くらいなら払ってもよい」という言葉も聞いた。車を洗うということは洗車において大切な柱であることは動かしがたい。だが、食事で言えば白いご飯のようなものかもしれない。パスタやラーメン、そば・うどん・・「食べたい!」と思う気持ちは同じ人でも毎日異なるし、売る側が色々な料理(洗車)を提示することで「お金を払って洗車してもらう」という習慣が促進されるだろう。【外食】という言葉が1970年代以降普及した。洗車も同じように捉え方、くくりかたを変えると、現在とは比較にならない莫大なマーケットに着手できる。

例えば
外装だけでもこれだけの洗車がある
現在の
SS洗車市場
とにかく早く洗いたい。車から降りるのもイヤ 
安上がりに洗いたい
道具の準備や服の汚れが気になるからSSに依頼する
自分より早いからSSにお願いする
どうすればいいかわからないから、SSにお願いする
機械で洗うのがイヤだから手洗いがいい
これが
眠れる市場
洗い残しなくスミズミまでキレイにしたい
水滴が垂れっぱなしの洗車はイヤ
SSの洗車は嫌いなので自分で洗う
自分で洗うのは好きではないがSSの洗車も好きではない
どうすればいいかわからないから何もしていない
車をきれいにする事に興味ない
洗車を
販売するのが
困難な層
愛着が無いので洗わない
洗車にお金を使いたくない
洗車が趣味な人
快洗隊の輪郭
サービスとしての洗車市場。
現在、SS中心の洗車事業は年間1800億円の市場である(1SS年間平均360万円・SS数50000で試算)
一方、理美容業界はすでに年間約1兆5千億市場を築いている。消費者にとって「キレイにする」という行為に対するコスト負担の意志は十分にあることを示している。
現状でも刈谷快洗隊は客単価5000円を超え、年商でも5000万を越えるところまで近隣の洗車需要を掘り起こしている。しかも実質商圏は半径2〜3キロと非常に狭小な範囲での実績なので洗車市場の可能性は飛躍的に高まる。現状の一般のSSでの平均値が900円程度で年商360万円ということを考えると胸ふくらむ需要が存在することは間違いない。洗車という商品が「汚れ落とし」から「手入れ」へ。片手間の作業から本業化することで、これほどの変貌を遂げる。この潜在需要をどう掘り起こし、受け入れ、拡大するかと言うノウハウの固まりが快洗隊なのである。
快洗隊の商品構成
快洗隊の商品は、現在以下のような位置づけで構成されている。「入り口は手洗い洗車」快洗隊洗車を未体験の人が、まず感動を覚える商品であり、その後も汚れ落としとしてはこの手洗い洗車を利用していく。「数は洗車機」必ずしも快洗隊洗車=手洗いのみという訳ではない。ふつうに洗車機の洗車を選ぶ人も多い。特にSS併設型の月間1000台以上の洗車台数をこなす中では洗車機洗車もかなりの数になる。「稼ぎはキーパー」収益の柱はやはり、この商品。手入れを伴う洗車と言う中で客単価5000円程度で、まとまった数になることで店自体の活気も維持される。
いわば四番バッターというところか。収益アップにクリスタルシールド。たとえ台数は伸びなくてもこの商品が育つかどうかは運営上非常に大きな問題である。客単価5000円を目指すためには必須。差別化にアラカルト。アラカルト商品だけで来店する客数は非常に少ない。しかし、「こんなこともできるのか」という認識が洗車プラスアラカルト。という商品選択を産み、刈谷店では毎月30万円以上の収益源になるほどである。
とことん汚れ落としの洗車がしたい
15分極上手洗い洗車
とことん汚れ落としの洗車がしたい
15分極上手洗い洗車
初めて体験した人のほとんどが「早くて、すごくきれい」と感動してもらえる洗車。快洗隊への入り口であり、定番商品でもある。この洗車に慣れることで「自分で洗車するよりいいから」と、来店してもらえるようになる。平均施工台数500台/月。
平均売上2,060円水洗い対超はっ水コート比率3対7
自分の肌が触れる場所だからキレイにしたい
室内清掃
従来室内清掃は外装洗車のオマケ的位置づけとして捉えられていた。その感覚を捨て、独立した商品として育てた結果、普通車での単価1500円、平均売上は全体の12%を占めるにいたった。依頼されるのは全体の約3分の1である。
ドライバーのイメージと一番ラップする「手入れ」
キーパーコーティング
一般ドライバーの「洗車=手入れ」と合致するのが、この商品。きちんとした土台を作れば毎月200台レベルというのは奇跡的な数字ではない。あくまでもドライバーがしたい洗車を提供しているのである。
平均施工台数200台/月。キーパー対ホワイトキーパー比率6.5対3.5

車購入時、車検時などの一念発起で「大切にしたい」と思うとき
コーティング。
全体での平均売上は40万円/月、20台/月ある。この市場はこれからまだまだ広がる商品だと睨んでいる。それは、美容院が「カラーリング」やストレートパーマで10000万円以上の商品が普通になったのと同じように。

素人だから、正確に処理できないし、何を買えばいいかも解らない
アラカルト
売上そのものより「こんなことまでできる」という認識はこの商品群の呈示で深く心に刻まれる。例えば子どもがいない人でも「チャイルドシートをきれいにしてくれる店」というのは非常に印象深い。平均売上30万円/月一番人気ホイールクリーニング
最高の気持ちになるために中も外も完璧にしたい
フルコース
人間誰しも車の外も中もきれいにしたいもの。その思いを吸収すべく作られたフルコースメニューも我々が当初想像する以上に多数の注文を頂ける商品になりました。