Vol.15 2002年8月25日号

 


−ラ・モップ編−


ラ・モップ 2,700円


ラ・モップJr 2,300円

ラ・モップ&ラ・モップジュニア製造工場訪問記

快洗Bossや快洗Jr.の普及とともに、今や毎月1000個ほども出荷する〔空前の大ヒット製品!?〕となったラ・モップ&ラ・モップジュニア。『いったい今までに何匹丸裸にしたんだ?』(笑)などというご意見はさて置き、今回、1匹の羊からラ・モップが出来るまで(こう書くとナマナマしいですが・・・)を知る為、その製造工場を訪ねてみました。

製造工場訪問。さて、その町は…
鹿革などの製造で栄えたその町は、平成元年、天然皮革を扱う際に出る大量の汚水を処理する施設を完備した工業団地を立ち上げた。今では20社ほどの「革専門工場」が集まり、シカはもちろん、ヒツジやキツネの、「モトはこんな形の動物だったんだろうな〜」って容姿の毛皮が、所狭しと干されていた。そんな工業団地の中でもひときわ目立つ4階建ての工場で、ラ・モップは作られていました。
(この工場は、輸入から製造・販売までを手掛ける、国内唯一の専門工場。現に訪問当日に製造していた羊毛敷布団は、某有名ブランドの製品であった。)

初代ラ・モップは今から8年ほど前に作られた。当時はラ・モップという名ではなく別の商品名で、工場から直接カーショップやホームセンターに一般市販向けとして出荷された。4500円前後という価格で売り出されたが、月に1度するかしないかの洗車の「道具」としてはやはり高価だったのか、一部のSSや洗車専門店で取り扱われる程度のマーケットであったようだ。

当社がこの製品に目を向けたのが今から3年ほど前のこと。
洗車屋快洗隊がオープンし、手洗い洗車を中心とした作業を実施、それに伴う道具類をたくさんのお客様に提案していく中で、ある取引先から「こんなものあるよ」と紹介を受けたのがきっかけ。市販品に若干の改良を加えたサンプルを作り、早速テストをしたところ、快洗隊スタッフからの評判も上々で即、取扱い商品のラインナップに加えた。

「ラム」と「シープ」
ラ・モップはオーストラリアから輸入された子羊(ラム)の毛皮を使用している。
きっちりとした規定は無いらしいが、普通、生後1年未満のものを「ラム」と呼び、それ以上のものを「シープ」と呼ぶそうだ。
羊独特の臭みも少ないラムは、食肉用として重宝されている。また生後3ヶ月以内のラムの毛皮は、バリカンの刈り跡が無く、毛先の整った産毛で、毛玉も無い高品質なものとなる。
年月をかけ大きく育てるほど肉の価値が下がるから、結果としてラム毛皮の流通量も増える。しかしシープと比べ毛皮面積が少ないラムの毛皮は、面積あたりの単価が上がる。繊細さを要求される「手洗い洗車」には、このラムの毛皮を用いたモノがぴったりであるが、ちょっと高値になるのがタマニキズ。

豆知識……
羊は食肉の安定供給を図るため、人為的に繁殖期を調整しているが、通常は秋に交配し春に生まれるのが普通。しかしこれでは授乳期(4〜8月:産毛で毛が傷みやすい時期)に夏の強い紫外線を浴びる事になる。人間の髪の毛よりずっと細い羊毛は、この時期とても傷む。同じラムの毛皮でも、秋に生まれ春に食用とされたものの方が品質もよく高価である。ラ・モップの製造工場では、この時期の毛皮のみを輸入している。

名前の由来
例えば、あらゆるメーカーの絆創膏を、皆「バンドエイド」と呼ぶようになったように、新しい製品を出す際の「名付け」は大変重要なことで、毎回苦労しています。
「ラ・モップ」の名付け親は誰だったのか定かではありませんが、確かこんな意味合いだったかと???

①1度水に浸すと、毛が数十本ずつに束ねられる。 そのときの見た目が、元サッカー日本代表のラモスに似ている。 
 ラ・モス⇒ラ・モッス⇒ラ・モップ・・・・・・・・65点   
②ラムの毛皮で出来たモップ。だから・・・ 
 ラムのモップ⇒ラムモップ⇒ラ・モップ・・・・75点   
③英語の定冠詞「The」はフランス語では「la」(女性名詞に対して)。
 The Mop(ザ・モップ)ではあまりにもストレートすぎるので・・・        
 ザ・モップ⇒ラ・モップ・・・・55点 
  ※得点には意味はありません

いずれにせよ、わが社のこの製品に対する当時の力の入れようがうかがわれます。(爆)

工場潜入・こうしてラ・モップが出来上がる
1階から5階の屋上まで、どこを見ても羊・ひつじ・ヒツジ・・・・メェェェ〜!?
特に保管用冷蔵庫の中は、塩漬けになった毛皮の山で、独特の臭気が充満しており、イカツい防毒マスクみたいなものをつけて作業していた。無防備な私は、「この先ずっとこの臭いなのか?」と不安を抱きつつ、招かれるまま工場奥へと潜入。
この「塩漬け」状態から、約30以上の工程を経てラ・モップが出来上がるのであるが、ここでいくつかの作業をご紹介します。


洗浄
SSではおなじみ、ガソリンを運ぶタンクローリー、その14KLタンク程の大きさがある巨大な洗濯機の中で、やさしく洗浄され、塩や無駄な毛が取り去られる。

予備乾燥

ナメシ
皮の組織を貴下処理(特殊な薬品でPh値などを調整)することにより、耐熱性、耐久性がでる、そして腐らない状態にする
※この工程で、ただの『皮』が使える『革』になる
乾燥・天日干し
アイロン・シャーリング・ブラッシング
高温になったローラーに毛皮を何度も通し、
毛先を伸ばし整えていく。
選別
⑤の作業を終えた時点で、毛の長さや密度、色あいにより何種類かに選別される



染色
大型の釜に染料を混ぜ、デザイン・用途別に色付けされていく

形成乾燥
革を引っ張った状態で乾燥させ、形を整える。
ドライクリーニング 再度のアイロン・シャーリング・ブラッシング 枚革の完成


縫製加工

  型取り・裁断
いびつな形の一枚革を最大限に利用する為、「プロならではの勘」で、手際よく型取り・裁断されていく。(例えるなら、一枚革から取れるラ・モップの個数が最大8個であれば、その8個の割り振りをあっという間に行ってしまう。)
※カーペットなどを作る際に使用される羊毛は、この型取りで出た「端切れ」を何百も継ぎ合わせて作られている。自動車用シートカバー(ヒツジ丸々1匹形状のもの)以外、ラ・モップ程の面積を、継ぎ目無しで製品化しているものはあまり無いのです。(だから高価なんです)


縫製
ここで一旦、別の縫製工場に運ばれる。(メッシュを使った特殊な縫製のため)
裁断された毛皮と布やメッシュ地とが、すべて手作業で縫い合わされる。
ようやく「ラ・モップらしく」なってきたゾ。


再度工場に戻り、
アイロン・シャーリング・ブラッシング
 

検品
すべての工程を終えた製品が1つ1つ検品され、合格したものに「柄」(取手)が付けられる。

出荷
アイ・タックに向けて GO!!


工場見学を終えて・・・

正直、洗車用道具として使うには「もったいない」と感じるほど、一流の素材と手間隙掛けた商品だと改めて実感した。しかしそこは洗車のプロが使う道具。「ここまでこだわらなければ」とも。。。手洗い洗車の奥は深い。 

ご注文はキーパー代行店にお願いします。
または社名、SS名、住所、電話番号、FAX番号、ご希望商品と個数をお書き添えの上、
FAX0566−23−8798まで。