Vol.14 2002年7月25日号 |
実は洗車ができないヨシダ@グリットが突撃体験! |
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■少人数徹底指導 今回は総合洗車スクールで何が行われているか?何を身につけられるか?を体験取材してみた。日時は、6月17・18日、場所は刈谷スクール。 総合洗車スクールは、仙台、東京、愛知、神戸そして福岡で定期開催されている。平均して6人から多くて10人くらい。今回の主任講師は西日本統括の谷部長。 会場の説明、カリキュラムの説明などがある中で「本日終了目標は8時」と強調していた。その理由は後から解るが、少人数できちっと洗車について「身につける」ことをテーマに置いて開かれる。 |
■まず、座学から まず最初のカリキュラムは座学。ガソリンと洗車の商品としての性質を比較しながらアプローチをガラッと変えていく。洗車が売れていく店の理由を身近な例や体験談を交えながら理解してもらう。その後窓拭き、声かけ、メニュー作り、ゲストルームの作り方など、全て具体的に学んで行く。 今回は刈谷でのスクールだったため、快洗隊刈谷パイロットショップの見学も間に交えて進められた。かなり密度の濃い時間を過ごしたあと、休憩を挟んでいよいよ実践。 |
■いよいよ実践 最初に室内清掃、次に手洗い洗車へと進んでいく。どんな道具を使い、どう行うか?それはなぜそうすべきなのかということを一つ一つの作業に対し、すべてきちんと細かく納得いくまで説明される。この「なぜ?」がきちんと解明されることで動きに目的ができ、それをうまくできるようになるための工夫が始まる。 説明された通りの動きで受講生が作業を始める。初めて使う道具、不慣れな場所、そして「見られる」という緊張。ぎこちない動きでストップをかけられながら一台の作業を終える。一人一人、習得できたことできないことを詳細にチェックされながら、そのまますぐ二台目に。このあたりから空気が徐々に熱を帯びてくる。 二台目になると緊張も取れ、コツをつかみ始めた動きになる。そこでさらに上達するためのコツやテクニックを教えてもらいながらさらに三台目に。もう、この段階になると全員イキイキした表情で洗車のプロの芽生えが始まる。 |
■タイムトライアル(略してT.T.) 作業を学ぶといよいよタイムトライアル。もはや名物とも言えるものだが、最速かつ丁寧なプロの洗車を実践できるようになるための一番近道。一人の落伍者も出さないようにタイムトライアルが繰り返される。 冒頭の挨拶の「終了目標午後8時」が何の意味かようやく現実になってきた。すでに7時半。とても8時には終わらない。店に戻ればベテランと言われる人がここでは一生徒として訓練を受け、ワンステップずつ身につけていく。まるでスポーツの修練のような感覚でぐんぐん上達する。 |
■T.T.一回目 T.T.一回目.目標数値の20分をかなりオーバーするタイム。しかも頭の中が混乱しているので、動きがまだまだぎこちない。作業中から講師の注意も遠慮なく飛ぶ。全身汗だくだ。 T.T.二回目。休憩中に雑談の中、細かな、ホントに細かなコツを教わり、再度トライアル。一気に動きが整理され足さばき、手さばきが「プロ」っぽくなってくる。20分まであと少しまでこぎ着ける。しかし疲労の色も濃い。 ここで、現役快洗隊スタッフの手洗い洗車デモンストレーションがこの日は行われた。ここまできてのデモンストレーションは、見る人間の目線が違う。ぼーっと見るわけなく何のために、何を使って、どうやって、作業を進めていくかチェックしながら見ている。 |
■T.T.合格 さあ、いよいよ三回目。デモンストレーションのおかげで動きが完全に吹っ切れた。完全に20分極上手洗い洗車が会得できた。 このタイムトライアルで重要なのは、まず仕上げ。次に時間。早ければいいということではない。キレイに、早く、疲れず、というテーマのなかで基準点をクリアできたことをみんな拍手でたたえ合う。 |
■翌朝9時二日目スタート 「塗装の基礎知識」からスタート。車の塗装はどうなっているのか?なぜ車は汚れるのか?などなどを科学的、ミクロ的に説明される。普段経験的に知識として知ってるはずのことが次々に具体的に解き明かされていく。水垢ってなに?水輪紋ってなに?マイカ塗装って何?SFCってなに?などおもしろいことばかりなので興味津々。 このあと、再び実践。今日はキーパーが中心。爆白の使い方、鉄粉取りの行い方、そしてキーパーのかけ方へと続いていく。参加するメンバーはすべてキーパー導入店の人。なぜ?という空気が漂うが、一瞬にして氷解する。 正しい爆白、鉄粉取り、キーパーの施工方法を学ぶのだ。「正しい」とは塗装に良い施工を、すばやくしかもラクに行えるようにしていくこと。 良い施工を素早くラクに行うことができれば、すなわちイイものが早くできる。しかも疲れないなら、何台でもできるのだ。これがバランスよく行えれば繁盛する店の技術が身に付くし、逆に良い仕上げができてもでも、遅かったり疲れたりするのなら意味のない行動になってしまう。(キーパーのポイントはスポンジの使い方と、しゃがまないことなどなど。) |
■キーパータイムトライアル いつのまにか我流になっていたキーパーの施工方法を正しく学んだら またまたタイムトライアル。 普通車のキーパーで目標タイムは8分。最初は当然切れない。が的確な指示を受けると、途端に腕さばき、足さばきがダイナミックに、早くなっていく。昨日の手洗い訓練が効いてるので、今回は2回目ですんなり8分に到達。 教えるほうも覚えられるほうもすごい。タイムトライアルが終わった後はアラカルト商品の講習。使ってみたいものや疑問に思うことをドンドン消化していく。ここまで来ると訓練というより実践的質疑応答だ。虫取りの行い方。ホイールの洗い方など「分かっていても聞いてみたい」ことがビシバシ 解決されていく。どの方法もプロだからさまざまな症状にあわせてきれいにできること。しかも短時間で、できるだけ省力、スピードアップして行うことができるようになることがテーマ。受講生みんなあっけにとられたり大喜びしたりと盛り上がる。 |
■メニュー作り 実践での学びは二日目の4時くらいに終了。着替えをすませた後、最後にはメニューづくり。自分の店にあったメニューはどんな商品ラインアップか?今回学んだ技術ならいくらで販売したいか? そのメニューを使って月間いくらの洗車収益をあげられる店にしたいか?を組み立てて発表。そしてディスカッション。 |
■まとめ まとめとして、総合洗車スクールは成功するための考え方・技術を具体的に「体に染みこませる」ことが確実にできる二日間である。ちょっとしたコツの蓄積や切り替えで、誰でも本物の「洗車のプロ」に育成してもらえる。「洗車のプロ」になれたら、その売り方を組み立てれば洗車繁盛店は目の前になる。 できそうでできないプロ(人)の育成が二日間で劇的に成されるプログラムが総合洗車スクールである。 |